2003年9月25日更新

• ・基本情報
• ・商標の保護
• ・商標の「公正な利用」
• ・Fedora TM 商標の利用
• ・Fedoraに含まれるFedoraマークとその他Red Hatの商標の利用
• ・改造を含むFedora TM ソフトウェアのリリースとマーケティング
• ・承認済みのFTPもしくはダウンロードサイト
• ・結論

ソフトウェアに関係する著作権法および商標法の簡単なイントロダクション

・著作権

著作権法は、あるアイディアの「表現」を保護する法律です。Fedora TM はおびただしい数のソフトウェアモジュールで成り立っており、その中にはRed Hatによって開発されたものも、オープンソースコミュニティの他のメンバーによって開発されたものも含まれています。それぞれのモジュールとコードの著作権はそれぞれの作者が保持していますが、同時に、Fedora TM はそれらが統合された複合著作物であり、その著作権は、それらを組織するFedora TM Projectが保持しています。

Fedora Projectは、通常、GNU General Public License ("GPL") バージョン 2及びFedora Project独自のエンドユーザーライセンス規約に基づき、第三者がソフトウェアをコピー・改造・再配布することを許可しています。このように、ソフトウェア自体はGPLライセンスの「オープンソースソフトウェア」ですが、この複合著作物の著作権は、依然、Fedora Projectが保持していることに注意してください。もし複合著作物に関するGPL規約が誰かによって破られた場合、著作権の保持者でありライセンスの契約元であるFedora Projectが、違反者に対してGPLを強要する法的権限を持ちます。

このようにFedora Projectは複合著作物を「所有」してはいますが、GPLライセンスの元で、第三者に幅広い権利を保障もしています。ただし、この複合著作物を再配布するときのRed Hat の商標利用に関しては、GPLもFedora Projectエンドユーザーライセンス規約のどちらも、その権利を保障してはいません。

・基本情報

商品やサービスの供給元を確認するために商標は使われます。商標法は、消費者を保護するための法律で出来ます。なぜなら、商標を確認することで、消費者は、購入する表品が誰によって提供されているのかを知ることが出来ますし、その商品を他の販売者のものと区別することが出来るからです。このことは、ある会社のものだと思って買った製品が実は別の会社のものだったというように、消費者がだまされることを防ぎます。

例えば、有名なケチャップブランドであるHeinzRケチャップを例にとりましょう。もしある人が、新しくケチャップ会社を立ち上げるて、その会社のケチャップにHeinzRケチャップと命名したらどうなるでしょう？その人は、HeinzRブランドのオーナーが築き上げてきた消費者の信用を利用して利益を上げていることになります。その人にとっては利益になるかもしれませんが、HeinzRケチャップだと思い込んでその人の会社のケチャップを買わされる消費者にとっては不利益になります。そこで、このような商標の使用はしかるべき法律によって禁止されているわけです。たとえその人のケチャップのがHeinzRケチャップとまったく同じ材料で作られていたとしてもです。

Red Hatの商標に関しても同じようなことが言えるでしょう。多くの消費者はRed HatRの製品を信用し、オープンソースソフトウェアを手に入れる際、Fedora TM などのRed Hatブランドを求めます。その結果、Fedora TM や他のバリエーション（「Fedora商標の利用について」を参照）を手に入れた消費者は、それがFedora Projectの公式な製品だと思うでしょう。特定のブランドを求める消費者は通常、例えばFedora Projectしかない利点を期待しているものです。消費者を保護するために、Red Hatは、その商標が他社の製品に使われたり、関係のない商品に関してそれがあたかもRed Hatの提携のもとにあるような使われ方をしないことを保障する必要があるのです。

・商標の保護

商標の保有者が、商標を不適切に使用したり、第三者の商標使用に関しての維持を怠ったりした場合、保有者は商標法上でその権利を失う場合があります。例えば、今では一般的に使われる「ジッパー」や「エレベーター」は、かつては商標でした。これらの商標の保有者は、それらの名前を広く普及させ、あらゆる商品に利用することを許したため、商標法による保護が消失してしまったのです。現在、商標法によりこのような商標の消失から守られ続けている商品の例としては、ティッシュペーパーのKleenexRブランド、ばんそうこうのBand-AidRブランド、コピー機のXeroxRブランドなどが挙げられます。ちなみに、商標を「維持」する為には、他者の使用を監視するだけでなく、その商品やサービスの品質や性質を保ち続けることも必要です。

Red Hatは米国特許商標庁の元にFedora TM 商標を登録しました。私たちはその他の国に関しても商標登録を進めており、いくつかの国に関してはすでに申請中です。そして、これからも、私たちがビジネスをする国に関して積極的に商標の登録を進めていくつもりです。

未登録の商標も商標法で保護されています。私たちの未登録商標には、RPM TM とBluecurve&tradeが含まれています。

・商標の「公正な使用」

商標の保有者は、他者による商標の使用に関して監視する義務がありますが、これは、必ずしもすべての状況で他者による商標の使用を禁止できることを意味しません。

例えば、会社によっては、自社の商品を宣伝する際、ライバル者の商品に関して言及することがあるでしょう。例えば、バーガーキングは広告に「試食テストで、Burger KingRフライドポテトは、McDonald'sRフライドポテトものよりも好まれているという結果が出ました。」と書くかもしれません。
この場合、McDonald'sRはマクドナルド社の商標ですが、それが正しく誤解を招かない文脈で使われていて、マクドナルドとの関係や提携を不適切にほのめかさず、適切な法律に従っている限り、バーガーキングはその商標を広告文中に使うことが出来ます。他者の商標を使う際にそれが適切かどうか判断する為の決定的な基準は、市場に対して商品の提供元や提携元に関しての混乱を招かないかどうかです。先のほどのバーガーキングによる宣伝文中でのMcDonald'sRの使用は、Burger KingRフライドポテトがマクドナルドの商品であるかのような誤解も与えませんし、Burger KingRフライドポテトがマクドナルドから発売されたものであるという誤解も与えず、Burger KingRフライドポテトがマクドナルド社の提供や監修によるものであるという誤解も与えません。

・Fedora TM 商標の利用

Fedora TM はRed Hat, Inc.の商標であり、Red Hat, Inc.の許可の下でのみ使用することができます。この文章で明記されている場合を除き、「Fedora」もしくはあらゆるまぎらわしい類似標識を商品に使用することは出来ません。 また、市場に混乱を招くようないかなる形でも、広告・オークションサイト・ソフトウェア・ハードウェアに「Fedora」を使用することはできません。もしFedora TM マークを使用する場合には、以下の二つの条件を満たしている必要がありますFedora TM マークをFedora TM コードに関連付けて使用する場合、コードはFedora Projectのウェブサイト（http://fedora.redhat.com/）から習得したオリジナルの形のままで一切の改造を含まないこと。Fedora TM コードをCD-ROM及びその他の形態で販売する場合、配布者は配布メディアを保障し、利用者が受け取るコピーが確実に利用可能であることを保障すること。

この規則は、公式なFedora TM ディストリビューションに含まれるRPM TM などの他のRed Hat商標にも適応されます。この文章で明記されている場合を除き、他のいかなる権利も、特にRED HATR及びShadowman" ロゴRマークを含む他の Red Hat商標の利用に関しては保障されていません。これにはいかなる例外もありません。

・Fedoraに含まれるFedoraマークとその他Red Hatの商標の利用

Fedora Projectの目的のひとつは、最先端のバージョンのLinuxRをみなさんが信頼できる、安定した形で提供することです。そのために重要なのはみなさんが、手元にある製品が純粋で公式なものであることをすばやく知ることが出来るということです。Red Hatはこの目的を達成するためFedora TM マークを選びました。これにより、この商標の幅広い利用権利を保障しています。
ガイドラインに従う限りにおいて、会社・政府・学校・個人は、Fedora ProjectがFedora TM の名前において配布しているソフトウェアを含む製品をCD-ROMやその他の形態で配布することができます。しかし、この文章で保障されているか公正な利用の権利の範囲内でないかぎり、いかなる者もFedora Projectが提供するソフトウェアに関してFedora TM マークを使用することは出来ません。もし使用した場合、それが他者の製品であるにもかかわらずあたかも正規の製品かFedora Projectによって監修された製品であるかのような誤解を与え、消費者の間に混乱を招くからです。

この問題を受けて、わたしたちは、Fedora TM 商標とFedoraに含まれる他のRed Hat標識の利用に関してのガイドラインを作りました。このガイドラインはLinux商品の消費者に商品の提供元を保障する為、また、Linux商品の開発者が市場に混乱を招くことを防ぐ為にデザインされています。

・改造を含むFedora TM ソフトウェアのリリースとマーケティング

GPL及びその他の該当するライセンスの通り、Fedora TM に含まれるソフトウェアを改造し変更点を加えたバージョンを、著作権ライセンスに従ってリリースすることが出来ます。ただしこのためには、以下のガイドラインに従う必要があります。すべての該当する著作権ライセンス及びこの文章の商標ガイドラインに従ってください。

その製品にFedoraという名前を使わず、その製品内及び関連する広告においてもFedora TM もしくはRed HatRの商標を一切使用しないでください。
その製品には別の商標を使用し、その商標は、「Red Hatのものと混同される可能性」がなく、「製品がRed Hatを基に作られ Red Hatの支援や承認を受けている」と示したり暗示せず、該当する商標法に従っている必要があります。
その製品が「Fedora TM を含んでいる」と表明しないでください。これはRed Hatのトレードマークの不正な使用に該当します。
Fedora商標を含んだ画像をすべて削除するため、「FEDORA-LOGOS」及び「ANACONDA-IMAGES」と記されたファイルを改造する必要があります。ただし、これらのファイルを単に削除するだけではソフトウェアが正常に動作しなくなる可能性があります。

ユーザーが自由に適応できる独立したパッチとともにオリジナルの純正なFedora TM コードを配布する場合、これはソフトウェアの改造に当たりません。ただし、このためには以下の条件を満たす必要があります。

- 配布メディア上及びインストール時に、オリジナルのFedora TM コードが純粋なままで、ユーザーが安易にそれを見分けられるようになっていること。
- パッチはFedora TM コードとは独立して提供され、配布メディア上でそのことが明確に認識できること。
- ユーザーにパッチについての説明が与えられ、パッチをインストールするかどうか選択できるようになっていること。
- この配布に関連するマーケティングにおいて、ベンダーがパッチを提供している事実を明確にし、パッチのインストールがオリジナルのFedora TM コードに改変を加える事実を明確にすること。

・承認済みのFTPもしくはダウンロードサイト

FTPもしくは他の手段でのダウンロードサイトを提供する場合、Fedora Projectにリクエストすれば、Fedora TM 商標をダウンロードに使用する権限を得ることが出来ます。Fedora TM マークをダウンロードに使用する場合は、次の文章を表記してください：
「このFedora TM のディストリビューションは、Fedoraエンドユーザーライセンス規約 (http://fedora.redhat.com/About/legal/licenses/) に準拠しています。」

もちろん、Fedora TM 商標を用いなければ、GNU General Public LicenseとFedora商標ガイドラインに基づいている限り、自由にコードを再配布することが出来ます。ただし、配布するファイルが、Fedora Projectから直接ダウンロードしたままのものであり、一切の改変を含んでいないことを保障するのはあなた自身の責任であることを忘れないでください。

・結論

この文章は、Linuxベースの商品を扱うベンダーとその消費者双方の手助けとなるようにデザインされています。もし誰かがこの規約に違反していることを発見したら、trademarks@redhat.comまでご連絡ください。