■Linux Fedora 8夏目坂モデルで大容量メモリをフルに利用する(Fedora,CentOS)
画像1: 夏目坂64 LV1.3(メモリ8GB)カスタマイズ直後の設定
夏目坂モデルの中で特定のモデルにおいてカーネルオプションでメモリ容量を指定しないと起動できないという現象が起こります。
これは、Fedora 8 が夏目坂モデルの採用する最新のハードウェアに追いついていないために起こってしまう現象で、下記のモデルがこの現象に該当します。
・夏目坂64 LV1.1(メモリ2GB x 2 = 4GB)
・夏目坂64 LV1.2(メモリ2GB x 3 = 6GB)
・夏目坂64 LV1.3(メモリ2GB x 4 = 8GB)
・夏目坂64 LV2.1(メモリ2GB x 2 = 4GB)
・夏目坂64 LV2.2(メモリ2GB x 3 = 6GB)
・夏目坂64 LV2.3(メモリ2GB x 4 = 8GB)
・夏目坂64 LV3.1(メモリ2GB x 2 = 4GB)
該当モデルにおいては、
メモリマップドI/Oとの兼ね合いで、メモリが 0.9GB 少なく認識されてしまいます。
Linuxmaniaでは安全のためにこの設定で出荷をしていますが、このページでは、メモリを限界まで利用する設定方法を公開します。
■設定方法 (夏目坂64 LV1.3 メモリ8GB の場合)
上記のモデルでメモリを最大限に使用するためには、カーネルオプションでメモリ容量の指定が必要になります。
関連情報「メモリマップドI/Oとは?」などをご理解いただける方のみ、自己責任において下記の作業を行ってください。
1.端末を起動しrootユーザーに切り替えます。
rootのパスワードを聞かれるので入力してください。
# su -
2.grubの設定
現在の grub.conf のバックアップをとってから下記の赤部分を追加します。
1. 現在ご使用の構成で設定されている青部分の設定をコピーし、赤部分相当に張り付けます。
2. title の行をわかりやすいよう適当に変更します。ここでは「memfull」と追加しています。
3. お使いのメモリ容量に合わせて mem オプションを設定します。
ここでは mem=8192M の値を 8704M に変更しています。
お使いの環境による値は下記の表「実際の搭載メモリと容量指定の際に入力する値」をご覧ください。
# cp -p /boot/grub/grub.conf /boot/grub/grub.conf.original
# vi /boot/grub/grub.conf
default=0
timeout=5
splashimage=(hd0,0)/grub/splash.xpm.gz
hiddenmenu
title Fedora (2.6.23.1-42.fc8) memfull
root (hd0,0)
kernel /vmlinuz-2.6.23.1-42.fc8 mem=8704M ro root=/dev/VolGroup00/LogVol00 rhgb quiet
initrd /initrd-2.6.23.1-42.fc8.img
title Fedora (2.6.23.1-42.fc8)
root (hd0,0)
kernel /vmlinuz-2.6.23.1-42.fc8 mem=8192M ro root=/dev/VolGroup00/LogVol00 rhgb quiet
initrd /initrd-2.6.23.1-42.fc8.img
3. 再起動
4. 認識しているメモリ容量が増えたことを確認
# cat /proc/meminfo
以上で設定は完了です。
■実際の搭載メモリと容量指定の際に入力する値
Fedora 8(x86_64)の場合
搭載メモリ |
mem=<限界>M (※実測値) |
最大限利用方法(※) |
マザーボードDG33BUの場合 |
2GB(2048M) |
不要1 |
出荷時最大 |
4GB(4096M) |
不要2 |
memを除く |
6GB(6144M) |
6656M |
memに限界値を指定 |
8GB(8192M) |
8704M |
memに限界値を指定 |
マザーボードDG965SSの場合 |
2GB(2048M) |
不要1 |
出荷時最大 |
4GB(4096M) |
不要2 |
memを除く |
6GB(6144M) |
6784M |
memに限界値を指定 |
8GB(8192M) |
8832M |
memに限界値を指定 |
|
|
Fedora 7(x86_64)の場合
1. カーネルを最新版(2.6.23.1-21.fc7)にします。
2. mem= オプションでメモリを多めに指定します。
(実メモリ + (704 - 32) 程度)
搭載メモリ |
mem=<限界>M (※実測値) |
最大限利用方法(※) |
マザーボードDG33BUの場合 |
2GB(2048M) |
不要1 |
出荷時最大 |
4GB(4096M) |
不要2 |
memを除く |
6GB(6144M) |
6816M |
memに限界値を指定 |
8GB(8192M) |
8864M |
memに限界値を指定 |
|
- 不要1…2GB 搭載機は mem=2048M で約2GB認識します。
- 不要2…カーネルオプション mem を削除すると最大認識します。
- ※実測値…カスタマイズ後の計測なので、カーネルは2.6.23となります。これ以上の数値が使用不可という意味の値ではなく、
操作時に違和感のない値となります。この値付近の前後 10MB縲鰀100MB の増減で、パフォーマンスが著しく低下します。
実際の操作感は、10MB増で5割遅、20MB増で10割遅、30MB増で20割遅という指数関数的な感じで変化していきます。
- ※最大限利用方法…4GB 搭載モデル以上では、仮想アドレスのテーブルとして 約200MB を消費、
オンボードグラフィックはメインメモリ共有のため 約200MB を消費します。
画像2: 夏目坂64 LV1.3 メモリ8GB メモリをフルに利用する設定後 (0.5GB増加)
関連情報
・
Linuxmania活用ガイド:メモリマップドI/Oとは?
・
Linuxmania活用ガイド:Fedora 8 32bit版で4GB以上のメモリを使う