ブルーレイ UDF-2.5 を利用しよう(Fedora)
UDF-2.5は、Blu-Rayディスクで採用されているファイルシステムです。
Linux における UDF への対応は 2008/05 現在 2.0 までとなっており、デフォルトでは UDF-2.5 が利用できません。
UDF-2.5 を読み込めるようにするには、特別なパッチを当ててカーネルを再構築する必要があります。
※Linuxカーネル 2.6.26以降には UDF-2.5 対応パッチが取り込まれており、カーネルの再構築が不要になる予定です。
Linuxmaniaではその時期にUDF-2.5を製品対応する予定です。
本記事では、UDF-2.5 に対応したカーネルを構築する手順について解説します。
手順: UDF-2.5 対応カーネルを構築する
コラム: UDF-2.5 について
初めてカーネル再構築を行う際は、まず環境から構築する必要があります。(2度目からはスキップできます)
まず、RPMパッケージ作成に必要なパッケージをインストールします。
[root@localhost ~]# yum install rpm-build
次に、作業ディレクトリを作成します。
[user@localhost ~]$ mkdir -p ~/src/redhat/{BUILD,SOURCES,SPECS,SRPMS,RPMS}
最後に、rpm系コマンドに作業ディレクトリのありかを教えてやります。
[user@localhost ~]$ gedit ~/.rpmmacros
以下の内容を書き、上書き保存します。(ユーザ名は自分のユーザ名に置き換えて下さい)
%_topdir /home/ユーザ名/src/redhat
カーネルのコンパイルに必要なパッケージをインストールします。
[root@localhost ~]# yum install gcc kernel-devel redhat-rpm-config
カーネルソースを用意し、必要に応じてパッチを追加したりオプションを変更したりします。
Fedora公式リポジトリで配布されているSRPMパッケージをインストールします。
[user@localhost ~]$ rpm -ivh kernel-2.6.24.5-85.fc8.src.rpm
カーネルのソースファイル、パッチファイル、設定ファイルなどが展開されます。
UDF-2.5 対応パッチは、以下のURLからダウンロード可能です。
https://sourceforge.net/tracker/?group_id=295&atid=300295 (Linux UDF Project)
パッチファイルは、SOURCESディレクトリに配置する必要があります。
[user@localhost ~]$ bunzip2 UDF_2.50-linux-2.6.24.patch.bz2 [user@localhost ~]$ cp UDF_2.50-linux-2.6.24.patch ~/src/redhat/SOURCES/
追加したパッチが適用されるように、kernel.specファイルを修正する必要があります。
[user@localhost ~]$ gedit ~/src/redhat/SPECS/kernel.spec
修正が必要なのは2箇所です。パッチのリストが掛かれている場所と、パッチの適用を行っている場所です。
[パッチのリスト] Patch420: linux-2.6-squashfs.patch Patch423: linux-2.6-gfs-locking-exports.patch Patch425: UDF_2.50-linux-2.6.24.patch Patch430: linux-2.6-net-silence-noisy-printks.patch
赤い行が追加された行です。
[パッチの適用] # Filesystem patches. # Squashfs ApplyPatch linux-2.6-squashfs.patch # export symbols for gfs2 locking modules ApplyPatch linux-2.6-gfs-locking-exports.patch # UDF-2.5 support ApplyPatch UDF_2.50-linux-2.6.24.patch # Networking
今回はファイルシステムに関するパッチでしたので他のファイルシステムのパッチのそばに追加しましたが、
違う分野のパッチを追加する時は同じ分野のパッチのそばに追加するとよいでしょう。
いよいよ、カーネルの再構築です。
[user@localhost ~]$ cd ~/src/redhat/SPECS/ [user@localhost SPECS]$ rpmbuild --target=x86_64 -ba kernel.spec
--target では、32bitならi686、64bitならx86_64を指定します。
途中でいったん停止し、キー入力やマウス移動などを求めてくることがあるので注意してください。
完成したRPMパッケージは、RPMS 以下に置かれます。
完成したRPMパッケージをインストールします。
[root@localhost ~]# cd ~user/src/redhat/RPMS/x86_64/ [root@localhost x86_64]# rpm -Uvh --force kernel-2.6.24.5-85.x86_64.rpm
再構築したカーネルで起動するために、PCを再起動します。
UDF は Universal Disk Format の略で、光ディスク用のファイルシステムです。
ISO9660 に代わるファイルシステムとして策定されました。
DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM では、UDF-2.0 が利用されています。
BD-R や BD-RE も、追記/書き換えメディアとして利用する時は UDF-2.0 が利用されます。
BD-REをパケットライティングソフトで利用する場合は、UDF-2.5 が利用されます。
BD-ROM や Blu-Ray映像ディスクでも UDF-2.5 が利用されています。
UDF-2.5 に対応することで、従来読めなかった Blu-Rayメディアを読むことが可能になります。
※ただし、著作権で保護された映像コンテンツの視聴を可能にするものではありません。ご了承下さい。