ここでは日本医師会の研究事業であるORCAプロジェクトと、その搭載モデルであるLinuxmania オルカモデル (Medical Solution Model
ORCA)
について説明します。
現在、全国約10万箇所の医療機関の8割以上が、毎月の診療報酬を請求するため、専用コンピュータ(レセコン)を使用しています。 このレセコンは、主に民間企業主体で開発・販売され、メンテナンス費用を含めると、高いものでは700万円から800万円、
安いものでも300万円から400万円の投資が必要でした。
また、それぞれの企業が独自に開発を進めた結果、データの形式にほとんど互換性がなく、ネットワーク化も進んでいません。
そこで日本医師会では、医療のIT化、医療情報の標準化を進めるためにORCAプロジェクトを立ち上げ、その1つの手段として、ネットワーク端末としても利用できるレセコンの開発に着手してきました。
そして、これを日本医師会独自のものにおしとどめることなく、国民に良質の医療を提供するため、 広く一般に利用できるよう公共財的な位置付けで、このプログラムを公開することを決定しました。
1. 医療事務の効率化・情報の標準化
ORCAプロジェクトは日本医師会が進める医療現場のIT化プロジェクトです。
日本医師会が医療現場のIT化を進めることにより、ORCAプロジェクトは各医療機関に浸透していきます。
その結果、各医療機関の医療情報は標準化し、誰にでも安心・安全に共有・活用され、事務現場の効率化、ひいては日本の医療の質の向上を図ります。
また、各医療機関の医療情報が標準化することにより、医療機関同士をネットワークで結ぶことが可能となり、情報を効率よく取り扱うことが可能です。
2. 導入/運用コストの軽減
オープンソース(無償公開)ですので、レセコン導入時にかかるコストを軽減できます。
また、診療報酬の点数改訂などにもネットワークを通じて直ぐに対応できるため、運用コストについても軽減できます。
ORCA Project: オープンソースとは
3. 現場主導型のソフト
ソフトウェアのバージョンアップは、医療現場の改善要望を反映して行われます。
ORCAプロジェクトは、現場でシステムをご利用いただいている方からの要望受付窓口を設けております。
バージョンアップされたソフトウェアは、ネットワークを通して随時入手することができます。
4. 拡張性に優れている
ORCAプロジェクトはオープンソースのためシステムを改変することが可能です。
そのため、医療機関の規模や人数に合わせ、細かな対応が可能です。
(例:地域公費への対応、各種帳票のカスタマイズ、電子カルテ、診療支援システム(WOLF)との連携など)
ORCAと連携可能な電子カルテ、接続機器/システムについて
ORCAプロジェクトで主要となる医療事務のソフトウェアです。
受付、会計、保険請求業務を行うことができ、レセプト電算処理システム(レセ電)を標準装備しております。
平成12年度に施行された介護保険制度において、二次判定の指標となる「主治医意見書」の作成を支援するソフトウェアです。 日医標準レセプトソフトと連携し、患者基本情報を取得すること可能です。
平成12年度に施行された介護保険給付制度での、介護報酬請求業務等の事務作業を支援する為のソフトウェアです。 日医標準レセプトソフトと連携し、患者基本情報を取得すること可能です。
訪問看護療養費における訪問看護療養費明細書及び請求書の作成支援ソフトウェアです。
※訪看鳥はWindows2000/XP/Vista上でのみ動作するソフトウェアのため、Linuxmania
オルカモデルにはインストールされておりません。
平成20年4月より実施された特定健康診査において、健診ならびに決済データの提出に対応したソフトウェアです。 日医標準レセプトソフトと連携し、患者基本情報を取得すること可能です。
レセ電ファイルを表示するためのソフトウェアです。
Linuxmania オルカモデル (Medical Solution Model ORCA)は、Linuxmania(Ubuntu 14.04 LTS)にORCAプロジェクト(訪看鳥を除く)がプリインストールされたモデルです。 訪看鳥の機能は使用できませんが、オルカモデル1台で医療事務の業務を概ね行うことが可能です。
日医標準レセプトソフト | v4.8.0 |
---|---|
glclient(※) | v4.8.0 |
医見書 | v3.1.2 |
給管鳥 | v6.0.0 |
日医特定健康診査システム | v2.1.1 |
JMAレセ電ビューアー | v2.1.4 |
※glclientは日医標準レセプトソフトのクライアントソフトです。
日レセメニュー | 医見書メニュー |
給管鳥メニュー | 特定健診メニュー |
ハードウェアのスペックについてはこちらをご参照ください。